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山の天気

山の天気~山の上はどんなところ?

山の天気は地上に比べて厳しく、崩れやすいことでも知られています。

 

高度が増すと、気温は下がり、風は強くなります。
地形の影響で、雨や風は想像以上に厳しいものになります。

一方で、高気圧に覆われたときは山でも地上と同様、穏やかな天気となります。

 

つまり、山での天気は良いときと悪いときの落差が激しいということ。
急変に備えて、適切な判断と行動をとる必要があるということ。

 

かつてはラジオの気象情報を聞きながら天気図を書いていた時代もありましたが、今はインターネットなどで最新情報が簡単に手に入ります。しっかり確認して、安心・安全な計画を立てましょう。


1.早くずれて回復が遅い
2.山の天気は崩れやすい
3.天気の変化は空でわかる
4.標高と気温
5.最大の敵は風
6.山で突風が吹くのはなぜ?
7.雷が発生しやすいってホント?
8.山の天気情報


1.早く崩れて回復が遅い

山の天気は、平地より早く崩れて、回復が遅くなることが多くなります。

なぜなら、低気圧や前線の接近などの影響は、上空側から早く受けるためです。

一般的な天気予報は平地向けです。

 

山でて天気が崩れるのは、平地の天気予報よりおおむね6時間ほど早まると考えておけばいいでしょう。

この時間的ズレを修正するのが、登山者・ガイドの腕の見せどころです。


2.山の天気は崩れやすい

山では、風が吹くと簡単に上昇気流がうまれます。

 

山肌を伝って上昇する空気が冷やされて水分を含み切れなくなり、放出されることによってできるのが雲です。

天気予報ではよく耳にする低気圧は、周りから集まった空気が行き場を失い、上空へ押しやられることによって上昇気流を生み、雲が発達して天気が悪くなるメカニズムです。

 

極端にいうと、山では局所的に低気圧のようなものが発生するのです。

平地では晴れの予報でも、山ではいつ天気が崩れてもおかしくありません。


3.天気の変化は空でわかる

空をみて、空の色や雲の種類、雲が風で流されている様子などから空模様を予測することを観天望気(かんてんぼうき)と言います。

山でもラジオやスマートフォンなどで気象情報を入手できますが、前述したように山の天気は変化が平地より早くなります。

 

上空ほど天気の変化が早いため、サインを見つけるには空を観察することが一番です。

気象は雲に始まり雲に終わるとも言われます。

 

ただし、これかかなりの上級編。まずは空を眺める楽しみを覚えてください。

 

 

 

 


4.標高と気温

標高が高くなるにつて気温が下がることを「気温の減率」といいます。

標高が1000m高くなると、気温は6℃下がります。
(100mにつき0.6℃下がる)

 

地上では桜が咲く陽気でも、山の上はまだ冬の装いです。

地上の感覚のまま登山を開始して、装備不足から低体温症になるケースも珍しくありません。

 

北海道の山や北アルプス・富士山などでは、真夏でも冬用の防寒具や帽子などを持参します。
天候を過小評価しないように注意しましょう。


5.最大の敵は風

気温が低くても無風であればそれほど寒くは感じません。

風のない雨の中を歩くのも、さほど心配いりません。

 

ところが、そこに風が加わると事態は一変します。

身体が雨に濡れた状態で風に吹かれると、真夏でも低体温症で死亡する事故が発生します。

 

通常風速1mごとに体感気温は1℃下がるといわれています。

水は空気より熱の伝導率が約24倍高くなるため、雨に濡れて風に吹かれると加速度的に体温が奪われてしまうのです。


6.山で突風が吹くのはなぜ?

風は山岳地帯の影響を受けます。
都会のビル風と同じです。

 

扇状地状の地形は、上流に向かって狭くなるため、風は加速します。

谷沿いに吹く風も、上流に向かって地形が狭くなるため収斂(収縮)して強くなり、突風となります。
風下側から登山して稜線に出たとたん突風に襲われるのはこのパターンです。

 

さえぎるものがない山の稜線では、行動できないほどの強風が吹きつけることがります。
このような時は、風下側に避難するか、山小屋に避難しましょう。

 

地形上で鞍部(コル)といわれている地形は風の通り道にもなるため、表側と裏側では風の吹き方が極端に違います。
稜線上で休憩をする場合などには、風の吹き上がってくる側と反対側で休むと体温の低下を防ぐことができます。


7.雷が発生しやすいってホント?

日射しで山の斜面が暖められ、斜面近くの空気の温度が同じ高度の空気の温度より高くなると上昇気流が発生します。
それによって発達するのが夏の雷。

発生しやすいのは気温が上昇する午後といわれていますが、それは平地でも高地でも同じです。

ただし、山では地形による上昇気流も加わりますので、特に雷が発生しやすい状況がうまれるのです。

上空に寒気が入ってきている時は、より顕著になりますので注意を払うことが必要です。

 

また、逃げ場のない稜線歩きなどをする場合は、そのリスクを十二分に認識し、回避行動をマネージメントすることが必要です。


8.山の天気情報

インターネットやスマホで山の天気予報を入手することができます。

毎週末いろんな山域に出かける人は、有料サービスで詳細な高層の気象情報を入手するといいでしょう。

無料で手に入る良質なサービスもありますので、一部をご紹介します。

・山の天気 tenki.jp 日本気象協会
・行楽地の天気「高原・山」てんきとくらす 日本気象株式会社
・「ヤマテン」株式会社ヤマテン 月額300円(税別)で全国18山域、59山の山頂予報を配信


もう少し高度な情報を入手する場合は
・HBCお天気 北海道放送 専門天気図  (http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html)

実況天気図、高層天気図(おおよその標高ごとの気温や湿度などを読み取ることができます)

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