磁北線を引く
このページのまとめ
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磁北線は読図に欠かせない
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磁北線は偏差確認の煩わしさを解消。
磁北線を引こう
地形図を購入したら、まず磁北線を引きましょう。磁北線は誰でも簡単に引け、読図作業には欠かせないものです。
磁北の知識
磁北とは、コンパスの磁針が指す北のことです。実はこの磁北、本当の北(真北)を指していません。
地球の磁力の影響で、磁北と真北にずれが生じています。このずれを偏差と呼びます。
日本では偏差はすべて西にずれます。
コンパスと地図をセットで使う時は、毎回この偏差を考慮する必要がありますが、ちょっと煩わしいですね。
そこで磁北線の登場です。
磁北線とは地図上に引いた南北の線のことで、偏差の数値分、西に傾けるのがミソです。
この線が偏差確認の煩わしさを解消してくれます。
磁北線の引き方
用意するもの
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地形図(国土地理院発行)
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筆記具(鉛筆は太い線になるので×。色は黒以外がおすすめ。)
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定規(60cmあると使いやすいです。)
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分度器(コンパスで代用可能)
1 . 偏差を確認する
偏差は地形図の右側に、「西偏○度○分」という形式で書かれています。まずこの数値を確認してください。
偏差の表記は時間の概念と同じ60進法です。例えば6度50分は6.5度ではなく、6度+50/60分、つまりほぼ7度です。
百間山・半作嶺であれば 7度10分 おおよそ7度(時計回りにまわして3目盛半)
2 . 分度器をセットし、角度をチェック
地形図の右下隅に分度器をセットして、西へ偏差分ずれた箇所に印をつけます。
地図の右下角の起点から、直線状に2番目、3番目とポイントしておく。
3 . 定規を使って線を引く
地図の右下角、2の印、地図の上端の3点を結ぶ直線を引きます。これが磁北線です。
あとは平行に同じ幅の線を繰り返し引いて完了です。
2万5000分の1の場合、平行線の幅を4cmにすると1kmの目安になります。
★もっと簡単に磁北線を引く
例えば7度の偏差角度であれば、三角関数を使用した値の位置から容易に7度の線を引くことができます。
地形図(1/25000)であれば、地図右下から右辺20cm、左へ2.46cmのポイントに向けて線を引くと、
7度の磁北線を引くことができます。
あとは定規などを使いひたすら真っすぐに地図上辺へ線を引くだけです。
田辺市であれば偏角は7度10分ですので、縦20cm・横2.51cmのポイントに向けて磁北線を引いていきます。
補足
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地図の端から端まで線を引かず、実際に歩くルートの周辺にだけ磁北線を引くのも、一つの方法です。
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三角関数を使うと、分度器を使う手間が省けます。
※参考
偏差角度 縦(cm) 横(cm)
6度50分 20 2.4
7度 20 2.46
7度10分 20 2.51
7度20分 20 2.57